日比谷音楽祭

東京・千代田区に位置する日比谷公園は日本初の近代的な洋風都市公園であり、公園内の野外音楽堂や公会堂は
近現代日本の音楽史を支えてきた。音楽プロデューサーの亀田誠治氏が発起人となり、
この日比谷公園で誰もが参加できる無料の音楽フェスティバルとして誕生した「日比谷音楽祭」の企画と
総合デザインを手がけることに。「日比谷音楽祭」は大小の野外音楽堂や公会堂だけでなく、
図書館、花壇、広場など、公園全体を使い、コンサートや体験型ワークショップ、
教育プログラムなどを開催することが特徴。

このように、日比谷公園の魅力を最大限に生かしたオープンな音楽祭であることから、
ロゴマークは公園を上から見たときの形状をそのまま生かし、特徴的な噴水や池、花壇の位置にそれぞれを
イメージした差し色を施した。ポスターやサイネージといったビジュアル類は、まるで公園のように
ロゴの上や周辺を様々な人たちが過ごしているようなデザインにし、PC用サイトはあえて横スクロールの
構成にすることで公園内を散歩しているような感覚を味わえるようにした。

さらに、専用アプリを開発し、公園内に隠れている「様々な楽器の音」を拾っていくことでオリジナルの
楽曲を聴くことができる遊びも用意し、日比谷公園の新たな魅力を発見してもらえることを考えた。
その際、全ての「音」を集めるとフルバージョンが完成するが、集めきれなくても曲が楽しめるように
工夫されている。いつでもどこでもダウンロードして音楽が聴ける昨今だからこそ、
「今ここじゃないと聴くことができない」ことの価値に期待した。