zerogra-fold

日本国内に900店以上展開する大手眼鏡ショップ、眼鏡市場の主力製品「ゼログラ」は、
チタンの薄い板を折り曲げて成形しており、両サイドにヒンジ状のパーツがないため軽量で、
フィット感も優れている。このゼログラを、さらに進化させるデザインを考えた。

従来のゼログラで改善が求められたのは、一体構造のためフレームを内側に折り畳むことができず、
メガネ自体とケースがかさばってしまうことだった。そこでヒンジにあたる部分を逆ヒンジ構造として、
従来品のフレームが外側に広がろうとするのに対し、内側へと自然に折り畳まれるようにした。
ただし逆ヒンジにしただけでは、メガネをかけるためにフレームを広げる時、
応力がヒンジの一か所に集中してしまい、20,000回の開閉に耐えるという眼鏡市場の強度基準を満たせない。
そのため逆ヒンジの周囲にスリットを入れ、フレームへの負荷が分散するようにし、この課題を解決した。
結果として高い強度を保ちながら、使用しない時は小さく収まり、
使う時のフィット感も向上させることが可能となった。

Client:
メガネトップ
Collaborator:
Shinichiro Umehana
Photographer:
Akihiro Yoshida
2015.12