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約300年の歴史を持ち、フランス王室とも関わりの深いセーヴル窯のための小物入れのデザイン。

高い技術力を持つセーヴルの職人が作る磁器は歪みが少なく、薄くて均質に仕上がったものほど
澄んだキレイな音が響く。そのため、出来上がった磁器のクオリティチェックをする際は、
職人が直々に表面を指で弾くという。その高い技術力ならではの表現として、
蓋が「鈴」のように鳴る小さな小物入れをデザイン。

中に入れたアクセサリーやお菓子などを取り出すために蓋を開けると、澄んだキレイな音が鳴る。
色は、彩色酸化コバルトを顔料とした「濃紺色」と「白」に加えて、アクセントに「ゴールド」を使用。
セーヴルの象徴とも言われるこの濃紺色は「ブリュ・ド・ロワ(国王の青)」とも呼ばれており、
フランスの王立磁器工場で18世紀に開発された。

高さや大きさの異なる5種類の小物入れを用意し、それぞれが異なる音色を奏でるようにすることで、
セーヴル焼の魅力を視覚だけでなく聴覚からも楽しめるデザインとなった。

Client:
Sèvres
Collaborator:
Sayaka Ito
Photographer:
Akihiro Yoshida
2017.11