Sake Master
「モノづくりニッポン」のためにデザインした「日本酒セラー」。
適切な温度管理による長期保存と、細かい温度設定による味わいの変化を楽しむことを目的に、
-5℃〜15℃まで温度帯を変化させられる冷蔵室を3室用意し、四合瓶は合計36本、
一升瓶は16本まで収納できる仕様とした。
冷蔵室内部には抗菌シートを張り巡らすことで開封後の衛生面に配慮し、また、極力紫外線をカットすることで
日本酒の酸化を最小限に抑えることを考えた結果、酒蔵の外壁を想起させる「なまこ壁」をモチーフに、
鏡面仕上げのステンレス板にグラデーション状の開口部が打ち抜かれた外装デザインとし、
内側や開口部の小口は全てマットブラック仕上げとした。 開口部は開閉時のハンドルとして、
また熱を効率的に排出するための吸気および排気口として機能させることで、360°どこから見ても
美観の損なわれない、「背面の無い」佇まいが生まれた。
扉内側にはモーションセンサーが設置され、手をかざすと扉を閉めた状態でも冷蔵室内部のLEDが点灯し、
イルミネーション効果と同時に、冷蔵室内の様子を確認することができるため、庫内の温度を安定させられる。
そして、3室の温度設定はタッチスクリーンによって行われ、インターフェースは内部のマットブラックに
合わせた白と黒によるシンプルなものとし、日本酒の酵母菌が生き生きと動き回っているような
イメージのデザインとなった。
さらに、ワインの保存も念頭に置き、コルクの乾燥対策として冷蔵室内を高湿度に保つ機能を付加し、
ボトルの横置き保存にも対応した専用のワインラックを作製した。