rugby mizuhiki-brooch
世界的ラグビーイベント期間中に開催され、観戦に訪れた世界各国のビジネスリーダーやVIPを対象とした
ビジネスフォーラムのための記念ギフト。
ラグビーという競技がもつ協調性や自己犠牲精神といった価値観と、日本ならではのおもてなしの心を
表現したいと考えた結果、「スクラムを組んだ水引」をデザインすることに。
室町時代に起源があるとされる水引は、祝儀などの際に用いられる飾り紐で「人と人を結びつける」という
意味合いや、その複雑な結び方による解きにくさから「末永いお付き合い」を意味する、
非常に縁起の良い装飾品とされる。この水引をワールドカップ出場国のユニフォームの配色にし、
前列から「3-4-1」という3列の陣形で組み合わさっているスクラムと同じ配置にした。
製作は、約100年前に加賀水引を創始した津田水引折型の五代目 津田六佑氏が手掛けた。
京友禅の老舗による風呂敷を解くと、輪島漆器の木地職人が手がけたヒノキアスナロ製の弁当箱が現れ、
中には大洲和紙に包まれた水引のブローチが2つ置かれている。ひとつは開催国である「日本」と
その次のW杯を開催する「フランス」がスクラムを組んでいるもの。
そして、もうひとつはフォーラムの四日後に控えた決勝戦の組み合わせとなっている。
風呂敷と手漉き和紙にはいずれも金彩を使ったオリジナルの柄があしらわれており、スクラム以外にも
モール、ラック、ラインアウトといったラグビーのシーンを表現。水引は事前に全出場国20チーム分が
全て製作され、準決勝が終わり次第組み立てが行われるという、職人の方々には普段とは異なる
スピード感が要求される難易度の高い作業工程となった。