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「モノがキレイに回転する」ための条件を、論文や書籍などの文献をもとにリサーチした結果、
「重心」「重量」「先端形状」といった複数の条件に加え、「回転させたい軸」と「回転しやすい軸」を
できるだけ一致させることが重要であることがわかった。
「回転させたい軸」とは、モノと床面が接する点とスピンを加える持ち手を繋いだ線のことであり、
「人が何かを回転させようとするインタフェース」のようなもの。
そして、「回転しやすい軸」とは、「最大慣性主軸」とも呼ばれ、どんなモノにも必ず存在する
「最も回転しやすい状態」ともいえる。この2つの軸を一致させることで、
ブレがすぐに生じることなく、長時間安定して回転することができる。
逆に、この4つの条件さえ満たせば「見かけの対称性」はさほど重要ではないことに注目。
そこで、「最も回転しなさそうな形」、つまり対称性が無く、回転体や曲面でもない、
直線のみがランダムに構成された造形物に対して、真鍮のオモシを入れたコマを作ることにした。
遺伝的アルゴリズムと呼ばれる計算手法で、「重心」「重量」「先端形状」
「回転させたい軸と回転しやすい軸の一致」という4つの条件を同時に評価しながら、
形状およびオモシの配置と量の最適な組み合わせを検討。
3Dプリンターを使った物理的な検証結果をそのプログラムに反映し、100通りの組み合わせを
200回以上繰り返し試した結果、10秒間以上回転可能な最終形体を導き出すことができた。