petit market

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  • 2021.06
for A.P.M

現状の国内の流通システムにおいて、サイズや形状などの出荷規格をクリアしない不揃いな農作物は流通できない。また、豊作時の値崩れを防ぐために出荷量に制限がかかることもある。こうした規格外品や売れ残った農作物がフードロスという形で社会課題となっている。そこで、道路脇などに設置される「無人販売所」にあらためて着目し、農家による直売を支援することで新鮮で安価な農作物の流通を促し、フードロス対策や地域経済の活性化を目指す仕組みを考案。できるだけ安価でカスタマイズ性の高い無人販売所をデザインした。

無人販売所は畳まれた状態で配送され、特別な工具を使わずに一人でも10分程度あれば組み立てられる。足下にオモシとなるブロックや土のうなどを入れて安定を図れるほか、地面の凹凸に合わせて底面のアジャスターを調節でき、さまざまな設置環境に対応する。また、棚板の数や位置は販売物に合わせて簡単に変更が可能であり、花や背の高い野菜などを入れるバケツが設置できるほか、傾斜棚やフックなども取り付けられる。 屋根は傾斜をきつくすることで、雪や落ち葉の堆積を防げるほか、夏場は内部の熱を通気口から逃す「煙突」のような役割も果たす。オプションで屋外用テープLEDによる棚下照明を設置でき、日照時間の短い冬場も中の商品を明るく照らせる。さらに、QRコード決済も想定した「集金箱」も合わせてデザイン。商品を紹介する黒板仕様のスタンド看板は、閉店時にそのまま本体の扉になる。解体も10分程度で済むため、荒天や強風時には一時撤去し、畳んで保管が可能となっている。

 外装の仕上げ色は4種類を用意するものの、各自で自由に塗装するなどしてカスタマイズし、地域ごとの特色を出してもらうことを想定。本体はS、M、Lの3サイズを用意。合わせてゴミ箱もデザインし、これらを互いに組み合わせて使用できるよう、寸法をモジュール化している。 なお、Mサイズは一般的なホームセンターで販売している部材やパーツを想定して設計されているため、今後は図面と組立仕様書を自由にダウンロードし、自分でホームセンターで購入・組み立てができるようにすることで、プロジェクトにさらなる広がりを持たせることも視野に入れている。

Collaborator : nis, yam, sus
Photographer : Akihiro Yoshida