ofon

小規模なワークスペースを想定したオフィス家具コレクション。
短いスパンでの事務所移転や、それに伴うレイアウト変更、プロジェクトの規模や組織の成長に応じて
人数が頻繁に増減することなどから、家具同士の「手軽な拡張性」と、1つの家具が2つ以上の機能をもつ
「多用途性」を持たせたいと考えた。そのために、工具などを一切使用せずにコイン一枚でパーツ同士を
連結することができる「コイン・ジョイント」が開発された。

使われていないときはフラットな状態になり、使うときにはまるで「電源ボタン」のように
指で押し込むことでオスメスのネジが飛び出し、コインによる連結が可能となった。
このジョイントを使い、箱型の棚を連結していったり、使っていない棚はデスクの脚として使うことで
デスクキャビネットのような役目を果たす。

また、棚のための布製の扉はデスク同士を区切るパーティションや、それらを複数組み合わせることで
空間を仕切るパーティションに転用することができる。これによって、限られた空間内における
ワーカーの心理的な「on(集中)」と「off(リラックス)」や、空間のレイアウト変更に求められる
物理的な「on(連結)」と「off(解体)」が手軽に獲得できるようになり、その様子から「ofon」と名付けられた。

Client:
KOKUYO
Photographer:
Hiroshi Iwasaki
2013.01