clustered clouds

空に漂う雲は、遠く離れた場所から見ると「白いかたまり」として知覚できるが、
飛行機や山頂からこの雲の中に近づいて入り込むと、ぼんやりとモヤがかかった半透明な風景が広がる。
この「かたまり」とも「ぼんやりした」とも言えない曖昧なボリュームを「半透明性の集積体」と捉え、4つのシェルフを作成。

素材にはステンレス製のパンチングメタル使用し、自重にかろうじて耐えられる 板の厚みと穴の間隔と大きさを割り出して設計。
パンチングメタル同士が重なると「モアレ縞」と呼ばれる縞模様が発生し、視覚的なノイズが発生する。
そこで、このモアレ縞を最小化するため、デジタルシミュレーションの結果に基づいて、
シェルフの背板のパンチングメタルの穴の配置を30度回転させた。

この半透明な四角いボリュームから、いくつもの幾何学的なボリュームをくり抜いていくようなデザインプロセスによって、
空洞の中にさらに空洞が与えられ、「空っぽの量感」と呼べるような、まさに雲のようなデザインとなった。

Collaborator:
Sherry Huang
Katsuaki Kobayashi
Takahiro Fukino
Photographer:
Hiroshi Iwasaki
2024.04