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地球環境への配慮から、多くの飲食店で使い捨てストローやプラスチックカップが廃止され、
紙コップや紙製ストロー、あるいは繰り返し使える金属製のマイストローなどを使う傾向が一般化しつつある。

こうした状況のなか、コンビニ大手「ローソン」のために、繰り返し使用できるコーヒーカップ専用のフタをデザイン。
テイクアウトに不可欠なフタをリユースすることでプラスチックゴミを削減すると同時に、
コーヒーをより豊かに楽しめるように工夫した。大きな特徴は、飲み口の反対側にある半ドーム状の空間。
この覆いによって、フタをした状態のままでも、通気孔から立ち上る香りを一時的に閉じ込めることで
コーヒー本来の風味を堪能できる。

1種類のフタで、ローソンが提供する2サイズのコーヒーカップに対応するよう、裏面に設けた二重の固定用の溝が
パッキンの役割を果たしている。また、素材には、耐熱性があり、衛生的に使い続けられるシリコーンゴムを採用した。
さらに、フタだけを持ち運ぶための専用ポーチもデザイン。広めの開け口はフタの出し入れを容易にするだけでなく、
コーヒーを飲む際にはカップごと入れて、スリーブのように使うこともできる。

熱さから手を守り、コーヒーの保温性を高めるこの専用ポーチもまた、1種類で2サイズのカップに対応する。
環境負荷の低いポリエチレン不織布のタイベックシート製で、防水効果が高く、洗濯も可能なので、
フタを常に清潔な状態で持ち歩くことができるようになった。

本プロジェクトを通じて、コンビニエンスストアの店頭で提供される年間約10億個(約2,000トン)以上もの
プラスチック製コーヒー専用フタの廃棄物の削減を目指している。

Client:
Lawson
Collaborator:
Midori Kakiuchi
Shun Naruse
Photographer:
Akihiro Yoshida
2020.09