MARUI TOCLUS

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  • 2021.03
for 丸井グループ

首都圏を中心に数多くの商業施設を展開する丸井グループ。物件の多くは駅前で利便性の高い立地に位置している。それにも関わらず、店舗の営業時間外は充分に活用されてこなかった。そこで、店舗の一部をシェアハウスにリノベーションすることで、昼と夜で用途転換して空間を共用することを考えた。

吉祥寺駅から徒歩2分に位置する丸井吉祥店内に直結したシェアハウスは、2〜4階にいずれも7〜12m2とコンパクトに収めた43室を設け、その分共用部を充実させている。
居住者は井の頭公園の眺望が楽しめるテラス付きのキッチンダイニングスペースのほか、店舗の従業員用休憩ラウンジを自由に使えたり、店内のショップでのポイント還元や割引といったサービスが受けられる。また、1Fにイベントスペースとしても使える待合場のあるランドリールームを用意し、居住者以外もコインランドリーとして利用できる。将来的には、閉店後にも店舗の屋上や店内の施設を利用できることを思い描いている。

今後はシェアハウスだけでなく、他のタイプの物件も増やしていくことで、各物件の共用部の相互利用だけでなく、生活スタイルの変化や成長に合わせて「気軽に住み替え」ができるようになる。
それを見越して、できるだけ冷蔵庫などの基本的な家電や家具は標準装備しつつ、生活用品や衣類のレンタルなど丸井グループのシェア事業と連携し、なるべくモノを所有したり移動させなくて済むように配慮した。これに加えて、店舗の倉庫などでよく見かける「折り畳み式コンテナ」は、引っ越し時に荷物を移動するのに利用でき、そのまま家具として使えるほか、使わない時は畳んでおける。
居室が狭い分、トランクルームを活用し、衣類をマメに移動させながら暮らすイメージを描く。
さらに、引っ越しコスト軽減のため、居室にはベッドやマットレスが備えつけられており、最低限の寝具のみを持ち込むスタイルを提案。

このように、「マルイと暮らす」シェアハウスであることから、名称は「MARUI TOCLUS (マルイ トクラス)」に。
ロゴは「01(=マルイ)」+「ト」+「家形(=暮らし)」を掛け合わせたデザインにして、家形は完結させずに、店舗に対して大きく開き、反対側も少し開くことで居住者同士や近隣住民が行き来する様子を表した。

建物のファサードや室内のカーテン・クッションなどのファブリックに使用されるパターンは、さまざまな形の間取り(暮らし)が集まるイメージとし、家形をモチーフにした家具や照明器具もオリジナルでデザインした。

店舗空間の有効活用という短期的なメリットだけでなく、店舗を「モノを売るためだけの場」から「新たなライフスタイルやコミュニティを提案する場」へと変化させ、それを通じて近隣地域の活性化も目指す丸井グループの長期的なビジョンを示すプロジェクトとなった。

Collaborator : mado, umh (interior), kku, hnm, cacdo (graphic)
Photographer : Takumi Ota, Akihiro Yoshida