invisible snow-globe
透明な液体内にミニチュアのオブジェと雪に見立てた白い粒子を封じ込めたスノードームは、
容器を振ることで雪が舞う景色を楽しむ雑貨。
このスノードームを新たにデザインするにあたり、雪が「舞っている瞬間」だけではなく、
徐々に「積もっていく過程」、さらに「積もった後の状態」も魅力的なものにしたいと考え、
中のオブジェを「消す」ことにした。
一般的に、スノードーム内の粒子をゆっくりと舞わせるために、グリセリンを水で薄めたものが使用されるが、
この液体の屈折率がおおよそ1.333~1.475になる。
この数値に限りなく近い屈折率を持った超透明シリコーン樹脂を使ってオブジェを作成することで、その姿が見えなくなる。
スノードームを振った直後は、舞い散る雪以外に何も見えない。
雪が透明なオブジェの上にゆっくり積もりだすと、おぼろげな輪郭が現れはじめる。
雪が完全に積もると、何もなかった場所にモチーフがくっきり白く浮かび上がり、
雪が積もっていないオブジェの下部は、その「影」のように見える。
オブジェは「花」「スマイル」「らせん階段」という3種類のモチーフを用意。
物体の存在を一度消すことによって雪の印象や役割が際立ち、さらに時間とともに視覚的な変化が楽しめるデザインとなった。