hana-arashi
イタリアのPaola Lenti社が独自に開発した、アウトドア家具などに使用される100%ポリプロピレン製のメッシュ素材は、
約180色もの豊富なカラーバリエーションが特徴でありつつ、耐久性と耐水性に優れたリサイクルが可能なモノマテリアル。
家具の製造工程において発生する、メッシュ素材の端材を再利用した家具コレクション。
ポリプロピレンは融点が低いという特性に注目し、縫製糸や接着剤などの副次的な素材を使用せず、
メッシュ同士を重ねて高周波熱圧着加工によって接着。
さらに様々な検証の結果、温度や加熱時間を微調整することでメッシュの一部が硬化し、
それにより強度が増したり、光を透過させたりすることがわかった。
はじめに、比較的大きめな端材同士を繋ぎ合わせてベースとなる「台紙」を作成。
次に、共通の形状に切り出した細かい端材を台紙に接着し、表面強度を高めていくと同時に、
照明のように部分的に光を通したい箇所には「空押し」を施した。
最後に、台紙の端部同士を留めていくことで立体的な家具が完成する。
こうして、全ての工程を高周波熱圧着加工という単一の手法で行うことで、
メッシュの滑らかな触感を損なうことなく、強度や透光性という新たな価値を付加し、
本来のリサイクル性の高さを維持しながらも、新たな表情の家具を生み出すことが可能となった。
色とりどりの端材が集まることで新たな魅力が生み出されるその様は、
散ってしまってもなお、風で花びらが舞い散り美しく季節を彩るように見える。
そのような景色を想起させることから、コレクション名を「hana-arashi」とした。