EPOS
丸井グループのクレジットカードとして知られる「エポスカード」。ネットショッピングの普及やスマホ決済の台頭といったデジタル体験の増加により、今後は使用時のタッチポイントが物理的な「カード」とは限らなくなる。こうした近年の購買体験の変化に合わせ、ブランドをリニューアルすることに。
具体的には、様々な企業やブランド、コンテンツとコラボレーションし、オリジナルの券面デザインを用意するだけでなく、提携先に応じてお客さまのニーズに合わせた独自のサービス機能を備えていく。さらに、マルイ店舗を活用したポップアップストアやイベントを開催し、商品やサービスの提供などを通じて、様々なコミュニティの発掘とサポートをしていく。これは「必要経費は節約し、自分の好きなことや共感することには思いっきり使いたい」という近年の消費傾向に合わせたものであり、何かを購入するための機能的な手段としてのカードから、体験を重視した「ファンクラブ会員証」のようなカードの姿を目指す。
ロゴデザインは、従来のクレジットカードの枠組みを越えたいとの想いから「エポスカード」という名称から「カード」を外し、「エポス」のみの表記に。また、複数の異なる色や形が集まってきたイメージによってコミュニティの多様性を表現。固定的なブランドイメージがつくことを避けるために、従来の1色だったブランドカラーを4色に増やし、その分量を変化させながら運用していくスタイルとした。カード自体は極力シンプルにし、カード番号や有効期限、ローマ字氏名などの要素を裏面に配することで、「色のない、コラボレーションしやすい」デザインに。これによって、カード利用時の盗み見がしにくいことによる個人情報の保護レベルが向上したほか、全てフラットな印字のみによるエンボスレス仕様によって財布やカード入れの中でもゴツゴツとかさ張らないスリムな券面となった。さらに、カード読取機に差し込む向きを間違えにくい縦型デザインを採用し、タッチ決済機能も追加された。
このように、使用時の利便性をアップデートしたことに加え、「共感」や「つながり」を感じさせることに主眼を置いたクレジットカードのブランディング計画となった。