AURA Water Server
生活空間内での存在感を最少化した、スリムでフラットな家庭用ウォーターサーバーのデザイン。
本体正面のパネルの一部を奥に軽く押すと出水口が露出し、その動きと連動して水を受けるトレイが手前に飛び出し、
操作が可能になる。
そして上部に設置されたLEDライトが作動し、暗い場所でもグラスなどを確認できる。
そのトレイは上部から出る水を受ける取水エリアとなり、
使用後にそのトレイを押し込むことで、再び正面のパネルはフラットな状態へと戻り、自動的に待機状態に。
常に外気に触れている従来の出水口や取水エリアの衛生面での懸念は軽減され、
さらには本体の作動停止忘れや誤作動の防止など、ひとつのシンプルな動作の中に複数の役割を集約させている。
また、一般的なウォーターサーバーは設置や移動のために、本体側面に持ち手ハンドルを設けることが多いが、
正面の窪んだスペースと背面に隠れたハンドルが持ち手となるため、側面は凹凸のないすっきりとした仕上げを施した。
同様に、天板も凹凸が一切ないフラットな仕上げとし、手前部分にコントロールパネルを配置。
それによって、腰をかがまずとも楽な姿勢でボタン操作が可能になり、また幼い子供による誤動作を防ぐ役割も果たしている。
操作ボタンは、3種類の出水方法を選択する物理ボタンと、5種類の温度帯を選択するタッチボタンで構成し、
ボタンの存在感を排除するため、ここでも待機状態では表示が消える仕様とした。
本体下部はウォーターボトルの格納スペースとし、低い位置に設置することで重たいボトルを高く持ち上げる必要がなくなり、
また受水棒を上から差し込めば設置完了となるため、重いボトルをひっくり返すという手間を必要としない。
ボトル交換時の労力を大幅に減らし、体力の低下した高齢者や子供にも優しい機構となっている。
本体の左右のエッジに施したスリットは、意匠としての役割に加え、視覚的に圧迫感を軽減しつつ、扉のヒンジ類や持ち手、
正面パネルと側面パネル同士の干渉を防ぐ「逃げ」の役割も担う。
同時に、扉の開閉ボタンやロックなどノイズになりかねない要素も全てこの中に収めた。
存在感を最少化しつつ、人にも生活空間にもストレスを与えないウォーターサーバーのデザインとなった。