light and shade
光によって生み出される影。逆の見方をすると、影によって光の存在を認識することができる、とも言える。
この光と影の相互補完関係をオブジェクトで表現したいという考えから、「型」とその型によって生み出された「成型物」に着目。
通常、「成型物」は最終製品となり、「型」は人の目に触れることはない脇役である。
そこで、「型」と「成型物」を対等に扱い、どちらも主役となることを試みたコレクション。
チェアの「型」が別のチェアに変身したり、「型」がテーブルの台座として機能し、
その「成型物」がスツールになるなど、それぞれが異なる機能を果たす。
照明、棚、時計などは、「型」と「成型物」を組み合わせることで単一の機能を持ち、その関係性も多様に。
鉄製の「型」は脱型後に、わずかに透明性のある黒塗装を施すことで、金属らしい質感を生かした仕上げとした 。
一方で、「成型物」はしっとりとしたマットな質感が特徴の白いアクリル樹脂石膏を使用。
両者の質感のコントラストによって、ネガとポジ、光と影の関係性をより強調させたいと考えた。