media luxe
カネボウ化粧品のメイクアップブランド「media」の後継として新たに発足したブランド「media luxe」のデザイン。
複数の異なるアイテムに一体的な印象を与えるデザインを検討するにあたり、「セリフ」に注目した。
セリフとは欧文書体の端部に施される小さな装飾のことで、
ミニマルでありつつも凛とした印象とフォーマル感をフォントに与える存在。
これをプロダクトに転用することで、同様の視覚効果とともに使い心地の良さを与えることを考えた。
リップのように引き抜く動作、クリーム類のボトルなどの回転動作、コンパクトの開く動作など、
それぞれの容器のフタの機構に合わせて「セリフ」を配置することで、少ない力でも開けやすくなった。
さらに、ワンポイントであしらわれるロゴデザインも「セリフ」を使用したものにした。
共通のリフィルが使用できるリップの本体は3種類を用意。
形状の違いは、使用シーンや人それぞれによってわずかに異なる「しっくり来る」感覚に少しでも寄り添いたい、との考えに基づいている。
まずは、太さや重さのバランスの良さを重視したリップ。
スカート型の本体形状によって紅先がとらえやすく、キャップは「パチッ」と確実に閉まったことを実感できる感触にしている。
次に、ふっくらとした形状に加えてオモシを内蔵したリップ。
しっかりと握れるのに加え、適度な重さによって塗る際に軸がブレずに安定性が増す。
さらに洗面台へ置いた際などにも安定して自立し、キャップはスーッと滑らかに閉まる感触に仕上げた。
3つ目は、携帯性を考慮した、スリムで軽量なアルミ製のリップ。
指先で軽く持つのに適しており、キャップを開ける際には軽快さを感じられ、持ち運び時にはしっかりと閉まる安心感を得られるように。
このように、まずは「セリフ」によって機能性と意匠を融合させた「セリフ」によって全体を整え、
さらにリップには3種類の「使い心地違い」を用意することで、
必要以上に着飾ったり背伸びしたりするのではなく、自然体の「自分らしい美しさ」を日常生活に取り入れてもらいたい、
というブランドストーリーを反映するデザインを目指した。