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西陣織は、5~6世紀に始まり、8世紀末に高級織物として京都で発展した。
西陣織では、漆や金箔で加工した紙を薄く裁断して横糸とし、着物用の帯を織ることがある。
この「紙を織る」という技術に着目し、海上保安庁発行の海図を切り刻んで素材に使った。

船が安全に航行できるように海上保安庁は定期的に海図を改編するが、そのために古くなった海図は
廃版となり使うことはできない。水に濡れてもダメージのない素材なのでリサイクルしにくく、
産業廃棄物にするしかなかった。ランチョンマットにするとその耐水性の高さが生かせるのに加え、
海の底の様子が織物の柄になるのもおもしろい。縦糸は黒にして独特のテクスチャーを強調した。

Places:
ミラノ国際博覧会日本館ギャラリースペース
Client:
西陣織 for 細尾
Collaborator:
Yuki Funakoshi
Photographer:
Hiroshi Iwasaki
2015.05