NJP table
ルイスポールセンは19世紀に創業した北欧を代表する照明器具ブランドで、デンマークの建築家、
アルネ・ヤコブセンによる照明器具もラインアップしている。
彼の名作「AJ テーブル」ライトをモチーフにした進化版として、現在のワークスペースのあり方をふまえた
デスクライトをデザインすることになった。直接光と、空間への柔らかい間接光を、1つのランプが同時に
発するのがルイスポールセン製品に共通する特徴であり、このランプにもそれを継承させようと考えた。
「NJP table」の独特のシェードは、デスクトップへと光を放つとともに、上部にある煙突のような穴からも
光が漏れ、アーム部を間接光で照らす。シェードには放熱効果の高いアルミニウムを使用し、さらに上部の穴からも
効率的に熱を逃す。そのため手でシェードに触れて向きや位置を細かく調整することができる。
またシェードをつかむとちょうど指が触れる位置にスイッチを配置した。近年のLEDを使う照明器具は
極端な薄さやコンパクトさを追求することが多い中、あえて、「デスクランプらしい」シェードの形状と
サイズを心がけ、また、スイッチもタッチセンサーやグラデーション状の調光機能付きではなく、
あえてクリック感が心地よいボタンを採用し、消灯・ 強・弱の3段階というわかりやすい構成にすることで、
使い手に技術力の高さを誇示するのではなく安心感を提供したいと考えた。
少し大きめのシェードとは対照的にシンプルなアームは、バネの役目を果たすコイルの太さと巻数を細かく
設計することで、スムーズな動きと自由な静止を実現。これはオリジナルの機構で、控えめなデザインを
よしとする北欧ブランドの持ち味が表現されている。